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読書メモ

『学問とは、人として踏み行うべき正しい筋道を修行することであって、技能に習熟すだけのものでは、決してない。ところが、とかく学問とは技能の修行と心得ている者が多くて、自分は学者になる家柄に生まれたのではないし、またそのつもりはないから、そう深く学問をする必要はないなどと、口癖のように言っている人を見かける。これは結局のところ、学問を技能の修行と心得ることから生ずる間違いである。たとえ、どんなに詩文などを上手に作れるようになっても、故事などを博く暗記したとしても、それだけでは一種の芸人となりえたにすぎない。』【啓発録